2012年2月23日木曜日

国際農業開発基金(IFAD)

2012年2月22日、モンティ首相はローマに本部を置くIFADの第35回会議で167ヶ国(大多数は貧しい国)の代表を前に次のように発言した。

飢餓に苦しむ世界は、正義が行なわれていない世界。イタリアは飢餓との戦いや持続可能な食糧生産/流通システムに関する全世界の共同責任を忘れないよう、常に強く訴えていく。
健康で安定した食事をする権利はすべての人にある。
女性の力が大きな役割を果たす農業経営に向けて、男女平等の精神を一層高めるべきだ。国連総長も女性が男性と同じように農業に参加することで世界の農業生産は20%伸びるとしており、貧困を撲滅する最もよい手段の一つとなるだろう。
食品の安全性の確保も国際社会にとって最優先課題であり、こうしたIFADの政策を支えるためにイタリアはこれまでより10%増の負担を約束する。
増え続ける世界の人口。今、そのすべての人々を養うことが求められている。

2012年2月17日金曜日

クラウディオ・ヴィッラ(Cluadio Villa)

25年前(1987年)の今日、ちょうどサンレモ音楽祭が開催されていたときに、Reuccio(レウッチョ=下町の王様)と呼ばれていた歌手クラウディオ・ヴィッラが長い闘病生活の後亡くなった。

auto blu 公用車

緊縮財政策の一環として公用車の削減が実施された。
対2009年比で経費3億ユーロ(20%)の節減が見込まれている。
また、透明化を図るために、イタリア中の全公用車(2011年は65,000台)の利用を国民がチェックできるようなオンライン・サービスも始まった。

2012年2月16日木曜日

再審:終身刑から無罪に

1976年1月、シチリア島の海辺の町アルカモ・マリーナで2人の若いカラビニエーリ(軍警察)が就寝中に殺害された。犯人の一人として逮捕され、9回にもわたる裁判の末に終身刑を言い渡されたジュゼッペ・グロッタさんは21年間の服役後、今回レッジョ・カラブリア控訴院で無罪となって釈放された。無罪を主張したのは検事総長。判決文が読み上げられるとグロッタさんは当時2才で今は24才になっている息子を抱きしめて泣き崩れた。
「まるで時計が36年前に戻るかのようです。逮捕されたのは事件の約1ヶ月後の1976年2月12日でした。どうして逮捕されることになったのか分かりません。当局はどうしても犯人が欲しかったのです。わたしを逮捕して犯人を捕まえたつもりだったかもしれませんが、正義(giustizia)は行われませんでした」。バルダッサッレ・ラウリア弁護士は「グロッタさんは権力闘争の犠牲者になったのです。彼の人生がめちゃくちゃになった事実はだれも変えることはできませんが、今日の判決は正義を実現しました」。同じ事件で有罪判決を受けブラジルに逃走中の2人についても現在再審手続きが進められている。他の2名はすでに死亡しているが、その内の1名は逮捕6ヶ月後に獄中で不可解な自殺を遂げ、未解決のまま。

2012年2月14日火曜日

アスベスト汚染裁判

「歴史に残る判決」

アスベスト汚染による被害者と遺族が、加害者であるEternit社の幹部を告訴した裁判(トリノ法廷)で、被告2名にそれぞれ懲役16年の刑が言い渡された。裁判官は、亡くなった3000人の名前も一人ひとり読み上げた。

Eternit社のカサル・モンフェッラート工場で働いていた従業員3000人が、アスベスト健康被害で死亡した。その真実が司法によって認められるようにとずっと戦い続けてきたアスベスト被害者遺族会の象徴的な人物、家族5人を失ったロマーナ・ブラゾッティさんは「戦いはまだ終わってはいません。若い人たちがこの戦いを引き継いでくれることに大きな希望を感じます」と語った。判決後ラッファエーレ・グァルニエッロ検事はコメントした。「歴史に残る判決です。判決文が読み上げられていた間、わたしは夢を見ているように感じました。真実はいつか必ず認められると、今後多くの人が信じられるようになると思うと、感無量です」。支援者がかざすプラカードには「Lavorare senza morire 死なないで働けるように!」と記されていた。

1992年以前に生産された1200万トンのアスベスト汚染物がイタリア全土に残されている。CNR(イタリア学術会議)は汚染マップを作成。地上1500メートルの高さに探知用飛行機を飛ばし、大気中のアスベスト量を測定している。現在イタリア中で毎年2000人がアスベストによる様々な疾患で死亡しているが、その数がピークを迎えるのは2017年。アスベストは廃棄できないので、解決策が見つかるまで、樹脂で覆われてそれぞれの場所におかれる。
賠償額は8千万ユーロ、告訴者(原告)は6千人。

2012年2月13日月曜日

ジリオ島

事故(1月13日)から4週間後

コスタ・コンコルディア号を撤去するには7~10ヶ月かかる見通し。
今日から3~5日かけて6タンクから全燃料の67%を抜き、その後、困難が予想される海底側のタンクから慎重な抜き取り作業が行なわれる。1ヶ月かけて84%が完了し、その時点でやっと海洋汚染の危機から脱する可能性が見えてくる。
ピアニストやインド人の客室係を含む15名がいまだに不明で捜索されている。

アテネの夜

財政破綻寸前のアテネでは、国会議事堂前のシンタグマ広場にデモ隊が集結。一般人に混ざった暴力的なグループがガスマスクを付け火炎瓶を投げて警官たちと衝突した。
現在ギリシャの債務は2760億ユーロ。その内訳は金融機関から2000億、各国の中央銀行とEU中央銀行から600億、一般貯蓄者から160億ユーロとなっている。だれがその債務を引き受けることになるのか。EUの主な債権者としては、フランス(500億ユーロ)、ドイツ(230億ユーロ)、イギリス(140億ユーロ)、イタリア(70億ユーロ)が名を連ねている。

イタリア中南部に豪雪

ボローニャでは積雪50cm。ラファエッロ生誕の地ウルビーノ(世界遺産)では現在3~5メートルの雪が積もり、大雪警報が発動された。ウルバニアでは雪の重さでルネッサンス期の「クロチフィッソ(磔刑)教会」の屋根が崩落。アヴェッツァーノ(ラクイラ県)では氷結のため道路が閉鎖されている。ラツィオ州でも多くの市町村が孤立しており、水道や電気が使えない地域もある。道路の凍結防止に撒く塩も各地で不足。さらに、バジリカータ州では500人が孤立し、アチェレンツァ(ポテンツァ県)では切れた電線を接続するためにgattti della neve(雪の猫=大型除雪車)が出動した。
地中海性気候のイタリア中南部は通常降雪量が少なく、今年は異常気象。86才で人生初めての豪雪にみまわれ、雪かき初体験をしたお年寄りもいる。