2012年6月4日月曜日

Strage di Capaci (カパーチの虐殺)から20年

2012年5月23日、「カパーチの虐殺(ファルコーネ判事暗殺事件)」は20周年を迎えた。判事の護衛長で、もっとも強い爆破を受けた1台目の車に乗っていた警察官アントニオ・モンティナーロ(享年30才)は、生前のインタビューでこう語っていた。「いつも口にしていることですが、わたしのような仕事に付いている者はだれでも恐れと卑怯のどちらかを選べる状況にあると思います。恐れは人間であればだれでもが持つ感情です。恐れる者は、夢を見、愛し、涙を流します。人間らしい感情です。卑怯は理解できません…。人間性の範疇ではないと思います。わたしはすべての人間と同じように恐れを抱いています。でも卑怯ではありたくないです」。アントニオたち護衛はみな志願者で、危険手当も受けていなかった。

アクロバティック国際飛行ショー

ローマに近いオスティア海岸で、被災者への連帯を示すアクロバティック国際飛行ショーが催され、100万人の観客が空を見上げるなか、各国の空軍チームが素晴らしい技を披露。最後に、世界最高と評判の高いイタリアの「Frecce Tricolori 三色の矢」チームがその神技で人々を感動させた。メンバーのコメント:「これは震災にあった人々を抱擁するイタリア全国民を象徴しています」

第7回世界ファミリー・デイ

http://www.tg1.rai.it/dl/tg1/2010/edizioni/ContentSet-9b6e0cba-4bef-4aef-8cf0-9f7f665b7dfb-tg1.html
6月2日、ミラノで開催された第7回世界ファミリー・デー。教皇ベネディクト16世を囲んで世界153か国から数多くの家族が集った。教皇は夫婦の絆の聖性について語り、また別居・離婚者にも「私はあなた方の傍らに居ます。教会は苦難のなかにある皆さんを迎え入れます」、「世界は功利主義に支配されていますが、家族は、無償に与える愛が基盤となっています」と述べた。集会を終えた人々のコメント: ― 家族の貴さを自覚しました。 ― いつも前向きであること、人生に信頼を失わないことが大切だと思いました。 ― 私にとって家族は、幸福を体験できた場所です。 ― 同じ理想を持つことで絆は深化します。この理想を再確認してくださった教皇のことばに勇気づけられました。
夜が明ける前に起きてバスに乗り、集会場まで数キロの道のりを徒歩でやってきた、元気いっぱいの大勢の子供たちもいた。次回、第8回世界ファミリー・デーは2015年にフィラデルフィアで開催される。

2012年6月1日金曜日

イタリア北部を襲った地震 (3)

5月31日のTG1(テレビニュース)から http://www.tg1.rai.it/dl/tg1/2010/edizioni/ContentSet-9b6e0cba-4bef-4aef-8cf0-9f7f665b7dfb-tg1.html
Cento(チェント)の街。倒壊した、街で一番古い教会の前に立って男性は語る。「今必要なのは勇気だけさ。恐れに身を任せてはいけない、絶対に。泣いている場合じゃないよ。でも凄いねえ粉々になった教会を見つめながら)…」。 ロザリオ教会ではグエルチーノの絵画を運び出し、市立絵画館(Pinacoteca Civica)に避難させた。 ルネッサンスの天才哲学者ジョヴァンニ・ピーコ・デッラ・ミランドラの出生地ミランドラでは、聖フランチェスコ教会が倒壊。人がいなくなった中心街は静まりかえっている。 サン・フェリーチェ・スル・パナーロでは、テントで寝泊まりをしながら、まだ余震が続くなか店に来てパンを焼いている女性のパン屋さんがいる。「負けるものですか!」。アナウンサーのコメント:「日本と同じように、わたしたちも生活を変えなければなりません。これからは地震と共存して生きていかなければなりません」。 環境大臣の発言:「官民投資による400億ユーロ(4兆円)の資金で15年間かけて震災地域を再建します。その予算には震災予防計画費も含まれ、今まで危険地域地図に載っていなかった地域も対象になります」。 イタリア銀行総裁:「イタリア経済の健全化は、2013年に予定されている赤字財政からの脱出によって達成されるが、構造改革はいまだ進んでいない。まず歳出の削減を目指すとともに脱税を摘発して歳入を増やし、増税ではなく、むしろ減税を実施すべきだ」

イタリアの地震 政府の決定

5月30日、内閣は被災地域の復興に向けた緊急資金対策を発表。
― 公費削減による節約分を復興支援に利用。
― ガソリン消費税を+2% 。復興資金に充てる。
― 被災地の市町村に対しては、財政赤字の上限等を定めた国内「安定協定」の停止。
― 被災地域における徴税を9月まで延長 。
― 住宅ローンの延長
モンティ首相は6月4日を国喪に定め、だれ一人として孤立させないと約束した。