2009年5月25日月曜日

ナポリターノ大統領のシチリア訪問


2009年5月24日、ナポリターノ大統領は3日間のシチリア訪問の最後の地、文豪レオナルド・シャーシャの故郷ラカルムートを訪れ、シャーシャ財団でのスピーチで「シャーシャはシチリアの理性と文化の輝かしい象徴」であると語りました。
前日の23日、ナポリターノは、マフィアと戦ったファルコーネ判事の暗殺事件から17年目を記念する式典に参加するためパレルモを訪れていました。そこにはイタリア中から船でやってきた、色鮮やかなシャツを身につけ旗を掲げて待っている2000人の若者たちの姿がありました。若者たちは歌と踊りのフェスタを通して「未来を再び手にする(riprendersi il futuro)」決意をアピールしました。
思えば21年前にマフィアに殺害された勇気あるジャーナリスト、ロスターニョ(Rostagno)は言っていました。自分がマフィアと戦うのは、「自由と生きる喜びの敵だから」と。
「聖人、天才、船乗りの国」と呼ばれたイタリアですが、シャーシャの小説「真昼のふくろう」の主人公のモデルともなり、新妻と共にマフィアの銃弾の犠牲になったダッラ・キエサ将軍も含め、イタリアは多くの有名・無名の「英雄」を生んだ国ともいえます。それぞれの「事件」は悲しいエピソードであるとはいえ、続く世代にとって、かけがえのない誇りともなっています。
「上納金」を拒否して殺された店主の棺を担ぐ息子たちが、沈黙のままVサインをする・・・・。そんなシーンがニュースで流れることもあります。

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