祖父母、叔父・叔母、姉妹、甥・姪、そして両親との「想像してみた会話」35編からなる日記風私小説。20世紀初頭から、ファシズムの時代、第二次大戦、レジスタンス、68年の学生運動、70年代、そして1982年9月3日にパレルモで起きた父カルロ・アルベルト・ダッラ・キエサ将軍のマフィアによる暗殺‥‥。家族とは何だろうか、とナンドは振り返る。
ナンド・ダッラ・キエサにとって家族とは、とめどない愛情と慈しみの日々の流れであり、その中でそれぞれが教え、教わり、世代の異なる人たちの助けによって人生を学んでゆくところ。そこにには、固い絆、連帯感が生まれる。
ナンドは語る。「家族とは、苦しいときに守ってくれる避難所であるだけでなく、大いなる挑戦にそなえて戦略を練るために潜む塹壕であり、そこから人は勇気をもって外の世界に飛びだして行く。真の家族が持つ『美しさと力』を証したいと思い、この本を書いた。
子どもたちには、幼い時にこそ味わえる、夢や魔法のような神秘に満ちた毎日を送って欲しい。そうした豊かな幼年期を過ごすことによって成長し、人生の発見に挑むことができるようになる。過去の出来事をおとぎ話のように聞きながら、長い歴史の営みのなかに自分がいると感じて欲しい」。