フィレンツェのサン・ロレンツォ教会には、ミケランジェロの『ジュリアーノ・デ・メディチ像』、『曙』、『夜』などで有名なメディチ家礼拝堂がありますが、1975年、その下に小さな部屋が発見されました。礼拝堂の入館者のための出口をつくる作業中、大きな家具をどかしたら、地下へ降りてゆく階段が見つかったのです。当時メディチ家礼拝堂美術館長だったPaolo Dal Poggettoの指揮のもと、地下室の壁の2層の漆喰を入念に取り除いたところ、その下からミケランジェロ作の素描50数点が姿を現しました!1966年のフィレンツェ大洪水で水浸しになったはずの地下室ですが、上に塗られていた漆喰によってミケランジェロの素描が400年以上も守られていたのです。下記のサイトでは、それらの作品を映像で見ることができます。
http://www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-86df6fcf-d6e7-419d-a6a5-428e1785e820.html?p=0
1530年、共和制崩壊後のフィレンツェで、ミケランジェロは教皇派の追っ手を逃れ、この地下室にしばらく隠れていたといわれています。