2009年6月25日木曜日

ミケランジェロの素描

フィレンツェのサン・ロレンツォ教会には、ミケランジェロの『ジュリアーノ・デ・メディチ像』、『曙』、『夜』などで有名なメディチ家礼拝堂がありますが、1975年、その下に小さな部屋が発見されました。礼拝堂の入館者のための出口をつくる作業中、大きな家具をどかしたら、地下へ降りてゆく階段が見つかったのです。当時メディチ家礼拝堂美術館長だったPaolo Dal Poggettoの指揮のもと、地下室の壁の2層の漆喰を入念に取り除いたところ、その下からミケランジェロ作の素描50数点が姿を現しました!1966年のフィレンツェ大洪水で水浸しになったはずの地下室ですが、上に塗られていた漆喰によってミケランジェロの素描が400年以上も守られていたのです。下記のサイトでは、それらの作品を映像で見ることができます。

http://www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-86df6fcf-d6e7-419d-a6a5-428e1785e820.html?p=0
1530年、共和制崩壊後のフィレンツェで、ミケランジェロは教皇派の追っ手を逃れ、この地下室にしばらく隠れていたといわれています。

2009年6月19日金曜日

Referendum(国民投票)


6月21日(日)、22日(月)に実施される国民投票の結果によっては、総選挙で得票率の最も高い政党に55%の議席が与えられることになるかも知れません。これは、連立内閣の場合に生じやすい混乱や問題を避け、2大政党政治の確立を目指して発案されましたが、一党に権力が集中することが懸念されています。

ラクイラの復興事業

4月6日に大地震に見舞われたラクイラ(L’Aquila)では現在、12,000~14,000人の被災者のために4,000棟のアパートの建設が進んでいます。そのほとんどんどは3階建てで、建物と地面の間に耐震構造が設置され、地面が揺れてもその上に建っている建物に震動が伝わらないように工夫されています。

イタリアのGDP

イタリアのConfindustria(経団連)によると、イタリアのGDP(PIL=Prodotto Interno Lordo) は、
2009年には – 4.9%、
2010年には +0.7% になると予想されています。

FIAT

イタリアの最大手自動車メーカー、フィアットの代表取締役マルキオンネは、労働組合との会合で、生産の「合理化」(生産台数の削減も)を図るが、従業員の解雇と工場の閉鎖/移転は行わないことを約束しました。しかしその目標を達成するためには政府の協力が必要であるとし、政府に賃金補填公庫 (cassa integrazione) の支給を要請しました。
2010年にはフィアットは新モデルを市場に出す予定になっています。

2009年6月15日月曜日

中学卒業資格取得国家試験

6月15日、月曜日、イタリアでは6月に卒業する中学3年生の「中学卒業資格取得国家試験」が始まりました。イタリア語、数学、外国語の筆記試験の後、「Invalsi」と呼ばれる全国共通のクイズ式テスト(イタリア語、数学)、口答試験と続きます。評価は、「ブラーヴォ」というような言葉によるものではなく、10段階評価となります。ちょっと問題になっているのは、この国家試験の実施方法を規定するGelmini(教育相)法によると、受験できるのは「全科目が6以上の通信簿」をもつ生徒となっていることです。
一方、数世代にわたりイタリアの高校生の悩みの種だった大学入学資格取得試験(esame di maturità)は6月25日から始まります。今年も猛暑が訪れると予想されているイタリアですが、国家試験を受ける若者たちにとって、一番汗をかくのは6月になりそうです。