2019年11月25日、東京
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ローマ教皇、袴田さんと接触希望 来日中ミサで、実現せず
共同通信社
11月下旬に来日したローマ教皇フランシスコ(83)が東京ドームでのミサの中で、静岡県一家4人強盗殺人事件で死刑が確定し、冤罪を訴え再審請求中の袴田巌さん(83)との接触を希望していたことが30日、カトリック関係者への取材で分かった。教皇が参列者と交流する機会に袴田さんに近寄って顔を合わせる予定だったが、会場で姿を確認できず、実現しなかったという。
教皇は死刑廃止を訴えており、実現すれば死刑制度を巡る議論が深まるとの期待があった。関係者によると、ミサの前にバチカン関係者が教皇に袴田さんの情報を伝え、教皇も接触に強い意欲を示していた。
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ローマ教皇ミサ、東京ドームに5万人 袴田さん、救い見つめ (東京新聞)
袴田さん 拘置所で洗礼、招待受け参列
1966年の静岡県の一家四人強盗殺人事件で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定により釈放されている袴田巌(いわお)さん(83)が 25日、東京ドームであったローマ教皇フランシスコのミサに参列し、祈りをささげた。袴田さんは拘置所で洗礼を受けたキリスト教徒で、ミサに招待されていた。死刑反対の立場を取る教皇に直接支援を訴えることはかなわなかったが、立ち上がって教皇の姿を見つめていた。 (小野沢健太)
キリスト教徒らがドームを埋め尽くした大規模なミサで、袴田さんの席は前列に用意された。かねて弁護団や支援者が面会を求める手紙を教皇宛てに送っていたところ、ローマ教皇庁の報道官が今月15日、袴田さんがミサに招待されていることを公表。日本のカトリック司教協議会が20日、招待状を届けた。
黒のスーツに蝶(ちょう)ネクタイ姿で参列した袴田さん。ミサ後に東京・霞が関であった記者会見では発言しなかったが、一緒に参列した姉の秀子さん(86)は「巌は教皇の話を穏やかに聞いていました。教皇が近くに来たときは立ち上がったりしてね」と振り返った。
静岡県の旧清水市(現静岡市清水区)で一家四人を殺害したなどとして、80年に最高裁で死刑が確定した袴田さん。
確定直前、東京拘置所から秀子さんに送った手紙で自身の罪を「でっちあげ」と記し、「死刑そのものが怖いのではなく、怖いと恐怖する心がたまらなく恐ろしいのだ」と吐露していた。
袴田さんが拘置所でキリスト教の洗礼を受けたのは、その4年後。獄中日記などをまとめた書簡集「主よ、いつまでですか」の中で、洗礼について「唯一最大の栄光の絶頂であったのだ」と喜びをつづっている。
袴田さんは2014年、静岡地裁の再審開始決定を受けて釈放されたが、長年の拘束による拘禁症の影響からか、秀子さんらに「自分はローマ法王だ」と言うこともある。
袴田さんは釈放後の18年、東京高裁に再審開始決定を取り消されたものの、死刑と拘置の執行停止は維持された。今は最高裁の特別抗告審の結果を待つ身だ。
会見で秀子さんは、キリスト教徒らに「それぞれのできる範囲で支援していただければ」と期待。同席した弁護団の西嶋勝彦弁護士は「教皇は袴田さんに何か言葉を掛けたかったと思うが、何万人も参列していたので特別な機会は設けられなかったのだろう」と残念がった上で、続けた。「ミサに招待されたことは世界中に発信される。日本の司法界は、その影響を無視して事を進めることはできないはずだ」
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袴田さんも出席
袴田さんは、ちょうネクタイに黒いハットをかぶって参加した。秀子さんによると、袴田さんはアリーナの前から6列目に着席。教皇が乗った車が近づいてきた時に秀子さんがハットを取ると、袴田さんは教皇をじっと見つめていたという。対面する機会は無かったが、ミサ終了まで旗を振るなどして過ごした。
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袴田さんミサ招待 教皇、にじむ「死刑廃止」 面会は実現せず
フランシスコ・ローマ教皇が25日に東京ドームで執り行ったミサに、1966年の「袴田事件」で死刑が確定し、静岡地裁の再審開始決定で釈放された袴田巌元被告(83)が招待され、参列した。袴田さん側が求めた面会はかなわなかったが、教皇の死刑廃止への思いがにじんだとの指摘もある。
午後4時から東京都文京区の東京ドームで行われたミサには、信徒ら約5万人が集まった。2階席まで埋め尽くされる中、袴田さんと姉の秀子さん(86)には、教皇が間近に見える前列の席が用意され、2人は黒の服を身にまとって参列。教皇が会場を車で周回した際、袴田さんは立ち上がってその姿を見ていた。
袴田さんは1966年に逮捕され、84年に死刑囚として収容されていた東京拘置所で洗礼を受けた。2014年の再審開始決定で釈放されたが、東京高裁は18年、地裁決定を取り消し、弁護側が最高裁に特別抗告している。現在は浜松市で秀子さんと2人で暮らすが、死刑囚でありながら社会で生活するという不安定な日常を送っている。長期収容による拘禁症の影響などで会話がかみ合わないという。
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