2012年1月26日木曜日

1月27日 Giorno della Memoria 「記憶の日」

2000年法律第211号で定められたイタリア共和国の祭日。
1月27日が「記憶の日」とされたのは、1945年のこの日、ソ連軍の進軍によってアウシュビツ(ポーランド名:Oświęcim)強制収容所の門が開かれ、Shoah(ユダヤ民族大虐殺)の実態が世界に発覚したことによる。ドイツ、イギリス、その他の国々、そして国連も、同日、ナチズムによるジェノサイドの悲劇と、身の危険を恐れずユダヤ人を救うために尽くした人々を記念する。

2012年1月25日水曜日

Guardia di Finanza(財務警察)が見つけた2011年度の脱税

脱税で摘発された件数は、12,000件。その内7,500件は「evasori totali」つまり全く税金を払っていない「完全脱税者/社」で、総額210億ユーロ(約2兆円)の所得を隠蔽していた。その他の件数は、偽造請求書 (1.981 件)、IVA(付加価値税)不払(402件/20億ユーロ)、確定申告不提出(2.000 件)、帳簿隠匿/破棄(2,000件)。
財務警察は今年すでに902,000,000ユーロ(約900億円)を徴収した。

2012年1月24日火曜日

モンティ内閣 (任期2013年春)

マーリオ・モンティ首相の見解:
「業界の利益」を追求してきたこれまでの社会を見直し、今後は「全体の利益」を最優先する国を目指す。足枷となっていた個々の結託や結束に対抗するには改革法が必要だが、すべてオープン・マインドで進めたい。タブーはあってはならない。
公共事業においては民間の資本参加を積極的に支援し、保証付き公債(プロジェクト・ボンド)を発行する。
「簡素化法」を国会で成立させ、公募やその他公的手続きを簡素化する。

首相が推進する「自由化」については、タクシー業、運輸業、鉄道、薬局、新聞のキオスクなど、多くの業界が既得権の侵害を懸念し、ストを計画中。 ボッシ率いる地域主義政党「北部同盟」は、モンティ内閣を「governo infame (悪辣政府)」と呼んで決起大会を開いた。他党のほとんどは今のところ政府に協力の姿勢を表明している。

2012年1月18日水曜日

若者が学ぶ外国語

イタリアの若者たちの間で、第2外国語として「珍しい言語」を選ぶ傾向が出てきた。「Sono cittadino del mondo(僕は世界市民)」、「イタリアがすべてではない」、「世界のどこへでも行きたい」。これまでマイナーだった中国語やアラビア語など、ヨーロッパ圏外の言葉を学びたいと、17、18才で留学し、新しい文化と言語を身につけて「小さな大人になって」帰ってくるという。そういえばフィレンツェの友人の娘(17才)も単身でタイに勉強に行っている(滞在予定6か月)。

2012年1月17日火曜日

豪華客船の座礁

1月13日夜、4239人が乗っていたCosta Crociere 社の「コスタ・コンコルディア」がジリオ島(Isola del Giglio)付近で座礁。船長Francesco Schettino(フランチェスコ・スケッティーノ)が過失致死罪で逮捕され、オイル流出を危惧した政府は非常事態宣言を発動した。

押収されたマフィアの財産が農業協同組合に

15年前、カラブリア地方の小さな村カサル・ディ・プリンチペ(Casal di Principe)で司祭ペッペ・ディアーナがミサ中にマフィアによって殺害された。当時15才の女の子だったミレッラは、村の人たちがテラスにシーツを掲げ、これに抗議したことを覚えている。その後、法学部を卒業したミレッラは、裁判所がカモッラ(カラブリア地方のマフィア)から没収した土地・建物を借り受け、有機農業の協同組合(名称:Cooperativa Eureka)をつくった。今そこでは、貧しい人々、障害者、アフリカからの移民などが職を得ている。「自由でありなさい」と言っていた故人の遺志を継いだミレッラは、社会から疎外されていた人々が今は「仕事し、買い物に行き、床屋に行く自由を得ています」と語る。

2012年1月13日金曜日

2020年開催オリンピックにローマが立候補

ローマの他に名乗りを挙げている都市は、東京、アゼルバイジャンのバクー(Baku)、カタールのドーハ(Doha)、トルコのイスタンブール(Istambul)、スペインのマドリード(Madrid)で、2013年9月に行われる国際オリンピック委員会の総会で開催地が決定される。

ローマでの開催には、47億ユーロの投資、GDP (国内総生産)17%増が見込まれている。前回のローマオリンピックは1960年。高度成長期真っ只中、フェッリーニの映画「Dolce Vita (甘い生活)」が世に出た年だった。
http://www.youtube.com/watch?v=iC_UjMsYmJc

2012年1月12日木曜日

「自由化法」

キオスク(新聞・雑誌販売店)、タバッキ(専売特許のタバコや切手などの販売店)、タクシー業、薬局、スーパーマーケット、ガソリンスタンド、輸送業、など、あらゆるカテゴリーや職種が近々「自由化」される。
自由化に反対するタクシー業者は23日に全国ストを予定。消費者団体はそれを非難している。

伊独首脳会談(ベルリン)

メルケル首相:「イタリアがこのように短期間ですばらしい歩みを進めたことに驚きます」
モンティ首相:「イタリア国民には大きな犠牲が求められました。今度はヨーロッパ諸国にも努力が求められます。ヨーロッパはもはやイタリアがEU圏における『感染源』となるのではないかと懸念する必要はなくなりました。ドイツ、フランス、その他の国々と協力して自らの役割を充分に果たすイタリア。その可能性を信じて頂けることを期待します」

EUの総力を結集させる必要性を説くモンティ首相のことばに応え、メルケル首相は、「もちろんドイツを含めすべての国に構造改革は不可欠です。それを実現するには公共事業の必要はありません。構造改革は社会を見違えるように変えるでしょう」

2012年1月11日水曜日

ピッティ・ウオーモ(Pitti Uomo) 開幕

2012年1月10日~13日、フィレンツェ、フォルテッツァ・ダ・バッソ。
Pitti Immagine Uomo が提案する今年のメンズファッションは粋な「オールドスタイル」。25~30才の若者向きに復活したダブルのジャケット、ワイン色とココア色の駱駝のシャツ、パタゴニア・マーラ(Dolichotis patagonum)の灰色がかった毛皮…。

http://www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-b5328412-b931-4ad1-9320-55eac4bd1472-tg1.html#p=0

2012年1月10日の株式市場(ヨーロッパ)

3日間の続落後、きょうはプラスに転じた。(ミラノ証券取引場)
ミラノ     + 3.08%
フランクフルト + 2.42%
パリ     + 2.66%
ロンドン + 1.50%

2012年1月10日火曜日

RAI(イタリア国営放送)の改革

モンティ首相は、月末にはRAIの改革にも手を付けると表明。ベルルスコーニ率いるPopolo della Libertà(自由人民党)は「他にすることがあるだろう」と牽制するが、他党は大いに歓迎している。Italia dei Valori (価値あるイタリア)党首ディ・ピエトロは「RAIから政党を追放すべき」と訴える。

モンティ首相の今週・来週の動き

2011年12月、国会で「イタリア救済法 (Decreto Salva-Italia)」を成立させ、2013年に達成目標の国家収支赤字脱出への歩みを踏み出したモンティ政権は、EU諸国にもそれぞれの「宿題」をはたすよう呼びかける意向で、水曜日(11日)にはドイツのメルケル首相、来週の水曜日(18日)にはイギリスのキャメロン首相、20日(金曜日)にはメルケル首相&サルコジ大統領との会見が予定されている。
「自由化」を最重要視するモンティは、厳正さだけでなく成長のためのイニシアティブを共にとろうとEUの首脳たちに提言する。

アルノ川でゴルフ?

フィレンツェでゴルフのトーナメント「ポンテ・ヴェッキオ・チャレンジ」が開催された。アルノ川に浮かぶ筏に緑の絨毯を張り、そこに設えられたホールを目指して打つというもの。ポンテ・ヴェッキオの橋の上や岸辺の筏から狙う。フィレンツェのゴルフの歴史は長く、近郊のキアンティ地方には有名なゴルフ場「ウゴリーノ」もある。近年、知名度を上げてきた選手(Andrea Pavan, Fratelli Molinari, Matteo Manassero, Lorenzo Galli, Federico Colombo)の活躍も目立ち、イタリアでもゴルフを楽しむ人の数が増えつつある。

2012年1月6日金曜日

イタリア人の確定申告

48% のイタリア人が自分の所得を年間15,000ユーロ以下と申告している。
40% が15,000~35,000ユーロ
8.7%が 35,000~100,000ユーロ。
年間100,000ユーロを超える所得を申告しているのがたった1%!

イタリア人の豊かな生活ぶりを見るととても信じられない。外国で不動産を購入するイタリア人も増え、10年前の2倍になったとのこと。とくに人気があるのはヨーロッパ各国の首都の中心街。
一方、周りを見渡すと、電気代も払えない年金生活者や低所得者が多くなってきたようにも感じられる。

エトナ山噴火 (2012年1月5日)

Monte Etna が年明け早々また噴火した。轟音が響きわたる中、白い雪と赤い炎が空に映え、美しいコントラストを描く。

http://www.rai.tv/dl/RaiTV/programmi/media/ContentItem-3139fbc5-172e-49ac-bbd7-33f459a343dd-tg1.html

米大統領選に向けた共和党候補選びの幕開けとなるアイオワ州党員集会。

イタリア人3世(リック・サントラム、53才)が善戦。

1月4日に行われた選挙では、TVコマーシャルなどに巨額の宣伝費(1票あたり113ドルに換算される)を使ったRomney 氏が圧倒的に優勢とされていた。対するRick Santorum 氏はほとんど無名。「足を使った選挙活動」により1.65ドルしかかけなかったにも関わらず、8票という僅差にまで追い詰め、接戦の末敗れたが、実質的な勝利者と呼ばれている。
Santorum氏の祖父は1923年、ファシズムから逃れ若くしてアメリカに渡ったガルダ湖畔出身のイタリア人。炭鉱夫をして子供たちを育て上げ、大学に進ませた。孫のリックもアメリカで法律学を修めた後、フィレンツェ大学の専門課程に進んだ。
政治家としてのリック・サントラムは、「信仰、自由、家族」を重視する典型的な保守派。

イタリアの若者の失業率30%を超える。

ISTAT(イタリア中央統計局)の報告によると、2011年11月イタリアの総失業者数は2,142,000人に達し、失業率は8.6%(前年比+0.4%)。最も不利な状況におかれているのは女性と若者で、特に、15歳から24歳までのイタリア南部の女性の失業率は39%。年金受給開始年齢が高くなってきているためもあって、父親たちが職場に残り、息子たちが仕事につけないという現象もおきている。

ミラノ証券取引所(1月5日)

この日はイタリア証券取引のブラック・デー(-3.65%)となった。引き金となったのはUnicredit Bancaをはじめ大手銀行株の大幅下落。 一方、パリでは、-1.53%、ロンドンは-0.78%、フランクフルトは-0.25%と、イタリアほど大きな株価の変動はみられなかった。このところハンガリーもギリシャに次いで国家破綻の危機に瀕していることが判明し(ハンガリー国債の利率は10%に上昇)、ヨーロッパを震撼させている。